腰痛や骨盤の歪みの原因の一つに、長時間の座った姿勢があります。
特に背もたれに寄り掛かって座っていると骨盤が後ろに倒れ、体幹のインナーマッスルが働きにくい態勢となります。
さらに、脚を組むと、組んでいる側のお尻の筋肉が引きのばされ、骨盤を片側に引っ張る事でさらに歪みを強める結果となります。
日本人は世界で一番座っている
オーストラリアの研究機関が行った「世界20か国を対象とした平日の総座位時間」に関する調査では、日本は7時間であり、サウジアラビアと並んで世界最長とのことです。
7時間もの間、良い姿勢を意識して座っていることは難しく、大抵の人は、背もたれにもたれるように背中を丸めて座っているのではないでしょうか?
長時間座っていると骨盤が歪みやすい
骨盤の歪みには、前後の傾きや、左右の捻じれ、高さの違いなどがます。
冒頭でも書きましたが、背もたれにもたれて座っていると骨盤が後ろに倒れやすくなります。
骨盤が後ろに倒れた姿勢を長時間かつ習慣的に続けていると、体幹のインナーマッスルである内腹斜筋や多裂筋といった筋肉が弱ってしまい、体幹や骨盤を支えることが出来ず、骨盤周りの靭帯に大きな負担がかかります。
靭帯は骨や関節を正しい位置から大きくズレないように、支えてくれている組織です。その靭帯に負担が掛かると、徐々に緩んできてしまい骨や関節を正しい位置に支えることができなくなり骨盤の歪みに繋がってしまいます。
さらに、脚を組むことで、組んでいる側のお尻の筋肉が引きのばされてしまい、引っ張られた筋肉は骨盤から大腿骨についているので片側に骨盤を引っ張る力が働き、捻じれる歪みに発展していきます。
骨盤の歪みによる腰痛
上記のように、骨盤が後ろに傾いたり、捻じれたりするような歪みがあると、体幹の筋力低下や骨盤周囲の靭帯に過剰な負担が掛かってきます。
腰痛の種類には、「仙腸関節痛」と呼ばれるものがありますが、これは骨盤の歪みから仙腸関節を支えている靭帯に負担が掛かることで起こる腰痛です。
骨盤の歪みや腰痛の治療
骨盤の歪みや、仙腸関節痛のように歪みからくる腰痛を治療していくには
- 仙腸関節周囲の靭帯に対する鍼灸(はりきゅう)や徒手治療
- 働けなくなった体幹インナーマッスルのトレーニング
- 歪みの調整
などが必要となってきますが、たとえ治療や運動でよくなったとしても、一日に何時間も座っている生活習慣が変わっていないと、すぐに元に戻ってしまいます。
そのため、根本的な改善を目指す為には、治療と並行して、
座っている時間を時間自体を減らすもしくは、30分〜1時間に一度、立って体を動かすなどの工夫が重要となってきます。
当院では、施術後にご自宅や職場で簡単にできるストレッチやエクササイズなども併せてご紹介させていただきます。