鍼灸とは

広島で鍼灸院を運営している当院の鍼灸(しんきゅう)治療に対する基本的な施術方針と治療に用いる鍼(はり)や灸(きゅう)の種類や特徴について解説いたします。

当院の鍼灸治療

当院での鍼灸治療は、筋・筋膜や神経、血管などの解剖学や生理学、病理学、機能神経学などを基盤として、現代医学的に診立てをおこなって治療する方法と、脈やお腹の緊張、経絡などの体表の反応を所見として診立てをおこなう東洋医学的な治療両方を採用しております。

現代医学的な治療も、東洋医学的な治療も双方には得意・不得意な疾患や病態があるので患者様の主訴や体の状態により、こちらで最適と思われる治療方法で施術いたします。

鍼灸とは

鍼灸は「しんきゅう」あるいは「はりきゅう」と呼ばれており、鍼(はり)と灸(きゅう)に分けることが出来ます。

一般に、鍼は金属製の細い針を、灸は艾(もぐさ)と呼ばれるヨモギの葉を乾燥・加工したものを使用します。
それらを体表に刺入あるいは燃焼させて、一定の刺激を加えることで本来体に備わっている自然治癒力を高める治療方法です。

治療に使う鍼とお灸

当院で行う治療において、鍼はディスポ-ザブル(使い捨て)の鍼を使用しており、衛生的かつ安全です。
また、鍼の太さについても体へは0.14㎜〜0.2㎜を、お顔へは0.01㎜〜0.16㎜のものを採用しております。
医療機関などで主に使用される注射針の太さが16G(1.6㎜)〜27G(0.4㎜)なので、注射針に比べて鍼治療に使われる鍼はかなり細いということが分かるかと思います。

また、細さだけでは無く、鍼の先端の形状も刺入の際に痛みを感じにくくさせる加工が施されているため、極力痛みを感じにくいようになっておりますので安心して施術を受けて頂くことができます。

お灸は、主に箱灸と台座灸と呼ばれる間接的な熱を用いて身体を温める方法を採用しておりますので火傷などを起こす心配はなく、熱いと感じるよりはむしろ、ほんわか温かく気持ちよい感覚で受けることができます。

鍼灸の特徴

病気の前段階での治療

東洋医学では、未病(みびょう)という考え方があり、いまだ病気ではないが健康でもない状態を言います。鍼灸では四診(ししん)と呼ばれる方法で体の状態を把握し、未病の段階で施術を行うことで病気の予防や健康の維持・増進が期待できます。

自然治癒力の賦活

鍼灸には、血行改善、免疫活性、内臓の自律神経調整、鎮痛などの効果があり本来、体に備わっている病気を治す力を高めてくれます。
それによって、肩こりや腰痛、神経痛、関節痛などの痛みの症状のみならず、様々な辛い症状や病気に対応することが出来ます。

鍼灸の歴史

鍼灸は2千年以上前に中国で誕生し、日本には6世紀ごろに伝わったと言われているので、国内では1400年以上の歴史があります。

当初、鍼は外科的な処置を行う際に用いられることが多かったようで、お灸のほうが治療の中心であり、江戸時代には有名な俳人松尾芭蕉が「奥の細道」で養生として足の三里にお灸をする様子が紹介されています。

また、「菅鍼法」と呼ばれる鍼を専用の管に入れた状態で刺す、日本独特の刺入法が開発されたのも江戸時代であり、この痛みを与えにくく優しい刺激方法は現在でも日本の主流な方法として用いられています。