広島市西区にある鍼灸院
疲労回復処 輔-task-鍼灸院の恩田です
今日は睡眠について
睡眠は疲れから回復するのに欠かすことのできない最重要要素です。
しかし
- 眠りが浅くすぐ目が覚めてしまう
- 睡眠時間を十分時間をとったのに疲れが取れた感じがしない
- 日中、眠気がありボーっとしてしまい集中力がない
これらは睡眠がうまく取れていないときに出てきやすい症状です。
今回は疲労から回復する為の基本的な睡眠の量と質に関して、簡単に解説していきます。
睡眠で疲れをとるには?
まずは量の確保
睡眠を取ることで、疲労回復を促すホルモンが出るのですが、睡眠時間が短いとそのホルモンの量が減少することがわかっています。
ある研究では、1日5時間の睡眠を一週間続けた男性はテストステロンと呼ばれる疲労回復の役割も果たすホルモン分泌量が10〜15%減ったとされています。
他の研究では、6時間睡眠が10日間または4時間睡眠が7日間続いた場合、
認知機能(記憶、理解、判断、思考、学習等)が徹夜した時と同等のレベルとなり、さらにそのことに自覚がないことが多いとの報告もあります。
また、余談ですが、風邪のウイルスに晒された際に、7時間以上の睡眠の人が風邪を引く確率が17.2%に対して、5時間以下の睡眠では45.2%に増加します。
もう一つ余談で5時間睡眠だと、糖分の代謝が30〜40%下がり、太りやすくなることもわかっています。
以上を踏まえて、睡眠時間量の確保は最低限であり、疲労回復と免疫力低下や予防の観点からも最低でも7時間はとりたいところです。
量が取れたら質を高める
量の確保は最低限と言いましたが、「時間は十分とっているのに疲れが取れない」と言われる方も多いため
それだけでは解決しないことは想像に難くないでしょう
そこで、「量」に加えて「質」を高めることが重要となってきます
睡眠の質を高めるポイント
その睡眠の質を高めるためには
「寝相」と「呼吸」の2つが大きなポイントとなってきます
寝相
まず、寝相(ねぞう)に関してですが
皆さんは普段、寝る際に「仰向け」ですか「横向き」ですか?
結論からいくと、寝てもなかなか疲れが取れない方には「横向き」がオススメです
とくに、いびきをかくという方は横向きのほうが睡眠の質は高くなります
いびきというのは、舌の根元「舌根」が垂れ下がり、気道を狭くなったところを空気が通ることで生じる摩擦音です
仰向けで寝ていると、重力で舌根が垂れ下がり、気道を狭くしてしまうため、いびきをかきやすい状態となってしまいます
いびきの問題は、気道が狭くなることで肺に十分な酸素が取り込まれなくなることです。
酸素が少ないと脳は危険だと判断し、より酸素を取り入れるため交感神経優位な状態となり呼吸数、心拍数、血圧などを増加させて酸素を取り入れようと頑張ってしまいます
本来、睡眠中は身体を休ませて体を回復させる時間であるべきなのに、交感神経を働かせ頑張ってしまっているのは良い状態ではありません
そのため、オススメはいびきをかきにくい「横向き」で寝る事です
さらに「抱き枕」を併用することで身体も安定させて眠ることができます
呼吸
次に「呼吸」です
さきほど、寝相のところで交感神経の話がでましたので、先に自律神経の話になりすが、交感神経とは自律神経に含まれる神経線維です
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり
交感神経は闘争‐逃走反応を起こす神経で、心拍数や呼吸数、血圧などを増加させる働きがあり、体を「緊張状態」にする神経です
副交感神経はリラックスさせる神経であり、消化器を働かせ消化吸収の促進、心拍数、呼吸数、血圧の低下など体を休ませ「回復状態」にする神経です
呼吸は自律神経と非常に密接な関係があり、呼吸を整えることは自律神経を整えることにも繋がってきます
呼吸を整えるには
呼吸を整えるとは、具体的にどのように行うのでしょうか?
当院では、
- 口呼吸をやめることと
- 呼吸数を減らす
ことに重きを置いています
①の口呼吸をしていると
睡眠中に口呼吸で口が開いていると舌根が落ち、いびきの原因となりやすいということ以外に肺でのガス交換の効率が落ちるというデメリットもあります。
また、口内が乾燥することで雑菌が繁殖し、繁殖した雑菌が食事とともに消化器に流れ込み免疫力が低下するなど様々な弊害があります
②の呼吸数を減らすとは、自律神経と関係しますが
一般に息を吸う(吸気)と交感神経が優位に
息を吐く(呼気)と副交感神経優位となります
現代人はストレスが多く、交感神経優位の「緊張状態」となりやすく、その状態が長期間続くと、そこからなかなか抜け出せなくなってしまいます
体が「緊張状態」から抜け出せなくなると、呼吸は浅く早くなり、呼吸数は増えてきます。
当院に来られらる患者様も、呼吸数が多く、体が緊張状態から抜け出せなくなっている方がたくさんいらっしゃいます。早い方では1分間に15〜20回程度呼吸をしている方もおられました。
ですが、体が交感神経優位の緊張状態で呼吸数が増えるのであれば、逆に呼吸数を減らすことで交感神経の働きを抑制することも可能です
そのため、意識的に呼吸の量を少なくするエクササイズを行っていただくことで緊張状態から抜け出すことができれば
具体的な方法としては、仰向けに寝た状態で
- 口から5秒かけて「ハーッ」と息を吐く
- そのまま5秒、口を閉じて息を止める
- 鼻から5秒かけてゆっくり静かに息を吸う
- 1〜3を繰り返す
5秒ずつ息を吐いて、止めて、吸うだけで1呼吸に15秒かかるのでこれだけで1分間に4回とかなり呼吸数を落とすことができます。
就寝時に意識的に呼吸数を落とすことで、副交感神経が働き「回復状態」に移行しやすくなるので結果として睡眠の質を高めることに繋がりますよ。
まとめ
睡眠で疲れをとるには
- 7時間は睡眠時間を確保すること
- 横向きで寝て、いびきをかきにくい態勢で寝る
- 呼吸数を減らし、緊張状態から抜け出す
ことで睡眠の量と質を高めることが大切です。