身体の仕組み

正しい姿勢を意識しても肩こり、腰痛は良くならない

慢性的に続く肩こり・腰痛に悩み、病院や治療院に行った際に、「あなたの痛みの原因は”姿勢”が悪いからです」と言われたことがありませんか?

たしかに不良姿勢の代表である「猫背」や「反り腰」は長時間かつ習慣的に続けていると、肩こりや腰痛などの原因となります

その対処法として、胸の筋肉や、股関節の前にある筋肉が硬いからストレッチをして、背中の筋肉は弱っているからエクササイズで鍛えましょう!みたいな指導された経験はないでしょうか?

さらに、「もうちょっと胸を張って」「アゴはひいて」「頭のてっぺんから天井方向に引っ張られているように」などの姿勢に対するアドバイスをもらって姿勢を正す指導もよく耳にします(というか昔、私がしてました)

 他にも、骨盤や胸郭(肋骨)に歪みがあるので矯正が必要です!というパターンもあるかも知れません
それらの施術を受けると、直後には姿勢が良くなり、肩・腰の症状も緩和されることも多く経験します

しかし、数日後にはまた姿勢が崩れ、肩・腰に嫌な症状が戻ってくることも同じくらい多くあるように思います

これだとまたすぐに施術を受けにいくか、いつ何時も常に良い姿勢をキープすることに意識を向けなければならなくなります

じつは、姿勢を正してもすぐに元の不良姿勢に戻ってしまうのには理由があります

姿勢は脳が無意識的に調整している

それは、姿勢は「脳の働き」によって無意識的に調整されているからで

この「無意識に調整されている」ということが重要で、
姿勢は意識的に変えることもできますが、仮にもし姿勢を意識的にしか調整できなければ、何か動こうとするたびに転倒しないように必死に姿勢をキープすることに精一杯となり、仕事や勉強はおろか、立って移動することすらままならなくなるはずです

脳は視覚や前庭感覚(頭の位置や加速)、体性感覚(触圧覚や温度覚、関節の曲がり具合など)の身体の各センサーから情報を集めて、今、自分の身体はどういう状態かを認識し、ほぼ自動的に周囲の環境や目的に合わせた姿勢をとるように調整してくれています。

その為、もし身体の各センサーからの情報が誤った情報だとするとどうなるでしょう?

脳は誤った情報をもとに、計画と指示を出してしまうため、結果として現れた姿勢や運動はいびつなものになってしまいます

例えば、あなたが真っすぐ平坦な道を歩いている時に、体性感覚のセンサーからは「今は歩いている道は真っすぐです」という情報が来ているにもかかわらず

視覚からは「目の前の道は下り坂です」という情報が入ってきたり、前庭覚からは「頭が右に傾いています」というような誤った情報が入ってくると脳は、平坦?下り?傾いている?など何が本当の情報か分からないため、

もしかすると転倒など起こるかもしれないと判断し危険に備えて肩をすくめたり、体中の筋肉をこわばらせて過剰な緊張を生み出したりします。

これが猫背や反り腰などの不良姿勢や骨格の歪みの原因であり正体です

自然と無意識に良い姿勢をとれるように導く

ということは、
肩こりや腰痛の原因となっている姿勢を正すためには、姿勢を良くしようと意識をしたり、骨格の矯正をするのではなく

そもそも正確な体の情報が身体の各センサーから脳に伝わっているか?
確認したうえで、エラーがあるのであればそこに対してアプローチを行うことで脳に正確な情報を送り、結果的に肩こりや腰痛とならないような、良い姿勢を「自然と無意識に取れる」状態に導く事が必要です。

したがって、慢性的な肩こり・腰痛の治療をする際は、痛みの軽減をする施術に加えて、身体の各センサーを働かせるような刺激を入れる事が必須であり、それを行うには多種多様な運動が効率的かつ効果的です。

輔-task-鍼灸院では、痛みの治療と並行してその人に必要な感覚刺激を入れる運動療法を提供しています。

ABOUT ME
恩田陽輔
鍼灸師。 慢性的な不調や痛みは、疲労の蓄積による回復力を失っている状態と考え、鍼灸治療だけでなく疲労を取り除くためのストレッチやエクササイズ、栄養の知識なども治療プログラムに組み込んで提供しています。 【認定、修了】 ・FMS/SFMA ・Reformer For Motor Learning ・臨床ドライヘッドスパ協会認定