ちょっとしたことですぐに疲れる
十分に寝たのに疲れが取れた気がしない
そんな疲れやすく、疲れがとれにくいという方は体が「過緊張」状態にあることが多いです。
しつこい疲れから回復する為には体の余分な緊張である「過緊張」を抑制する必要があります。
過緊張とは
過緊張とは、神経系の緊張であり、過度な労働、偏った食生活、運動不足、人間関係等心理・社会的なストレスなどによって、自律神経のうち体を緊張させる「交感神経優位」な状態から抜け出せなっていること言います。
言い換えると、過緊張は「リラックスする能力の低下」とも言えます。
過緊張な人の特徴
過緊張状態となっている方は
- 安静時でも力が抜けず
- 肩がすくみ
- 頭が前にでて首肩の筋肉が硬い
- 動く際には必要以上に力を入れてしまう
- 硬く、ぎこちない動き
- 反りかえった姿勢や見た目上の猫背
- 肋骨が浮き出ている
などの外見上の特徴がみられます。
過緊張を抑制するには
体が過緊張を起こしていると、脱力・リラックスすることが苦手になるので、筋肉が硬くこわばったり、呼吸も浅く速くなったりする為いわゆる肩で息をするようになります。
睡眠中でも脱力・リラックス出来ないため睡眠の質が下がり、寝起きは首肩の凝りや腰の張りを感じるようになります。
この過緊張を抑制するためには、脳のなでも「脳幹」と呼ばれる自律神経の大元となっている部位を刺激して、交感神経の働きを抑える必要があります。
お灸で過緊張を抑制する
脳幹に働きかけて過緊張を抑制する方法は様々ありますが、今回は「お灸」使う方法をご紹介させて頂きます。
お灸にも種類がある
お灸と聞くと、皮膚の上に直接据えてひたすら熱さを我慢するイメージや、「お灸を据える」の言葉のイメージでは悪いことをした時のお仕置きに使われる場面を想像される方が多くいらっしゃいます。
ですが、皮膚の上に直接据える「熱いお灸」は数あるお灸の方法の一部でしかありません。
その他にも
- 間接的な熱を用いる方法
- 火を使わず電気の熱を利用するもの
- シールやカイロのように貼れるもの
- 煙や臭いが少ないもの
- 化学物質を用いるもの
などたくさんの種類があり、それぞれ目的や患者さんの状態に合わせて使い分けをしていきます。
その中でも、間接的な熱を利用するお灸は、熱がじんわりと伝わってきて温かくなる為気持ちよく感じるものが多く、上手に使うことで、過緊張を抑制することも可能です。
狙うのは迷走神経
当院では、間接的な熱を利用する箱型のお灸で、お腹を温めて方法を良く使っています。
腹部にある内臓は、迷走神経と呼ばれる副交感神経に支配されており、迷走神経は脳幹からでてくる脳神経のうちの一つです。
お灸にて、お腹を温めることで腹部内臓から迷走神経を刺激してその刺激が脳幹に伝わると副交感神経の活性(相対的な交感神経の抑制)を起こして結果的に過緊張の抑制につながります。
また、お灸には温熱刺激による効果だけではなく、燃焼させた時に発生する揮発性の成分や香りによっても血液を改善したり、リラックスさせたりする効果があります。
寝ても取れない疲れ、慢性的な疲れを取るためにお灸を取り入れてみてはいかがでしょうか?