疲労と不調

疲労回復を促す耳のツボ

輔-task-鍼灸院 廿日市院です。
今回は耳のツボを刺激することで副交感神経を活性化し疲労回復につなげる方法をご紹介します。
自宅で簡単に実施できて、特別な道具も必要ありませんので実践しやすい内容となっています。

疲労回復のカギは副交感神経の活性

疲労から回復するには、「いかに副交感神経を活性化できるか」が重要です。

副交感神経とは自律神経のうちの一つであり、休息や消化吸収を促す「疲労回復モード」の神経です。深い睡眠中や自宅のソファなどでゆったり過ごしている時などに働いてくれています。

現代人は常に緊張モード

しかし、現代人は仕事のやり過ぎや人間関係、食生活の乱れ、スマホやタブレット等デジタルデバイスの過使用、睡眠不足、運動不足など様々なストレスに晒されています。
そのため、いつも交感神経が過活動を起こした「緊張モード」から抜け出せなくなっています。
そうなると副交感神経の活動は抑制されてしまい、なかなか疲労回復モードに移行することが出来なくなってしまいます。

そこで、体を疲労回復モードに移行させるために耳つぼ刺激をします。

迷走神経耳介枝

耳には「迷走神経耳介枝(めいそうしんけいじかいし)」と呼ばれる神経が分布しています。

迷走神経とは、脳神経の一つで主に腹部の内臓を支配しています。
そして、迷走神経の成分はほとんどが副交感神経線維ですので、「副交感神経≒迷走神経」ということができます。

その迷走神経が腹部の内臓だけでなく、耳にも神経の枝を伸ばしており、耳つぼを刺激すると迷走神経耳介枝が刺激されて結果的に副交感神経を活性化することに繋がってくるのです。

刺激する耳のポイント

耳の穴の近くが迷走神経耳介枝の分布が多くなっています。

刺激方法

刺激方法は基本的に押圧(おさえるだけ)です。迷走神経は刺激に対する閾値が低いので強く押さえる必要はありません。
耳たぶや耳の穴の前にある突起の部分は指でつまむようにして刺激するとやりやすいかと思います。
各部位、1〜2分間ずつ刺激しましょう。

おわりに

耳のツボを用いることで副交感神経を刺激して疲労回復を促す方法をご紹介しました。この方法は寝る前などリラックスした状態でおこなうのがオススメです。
また、前回ご紹介した「疲労回復を促す呼吸」と同時に行うのも非常に効果的ですので是非試してみてください。

ABOUT ME
恩田陽輔
鍼灸師。 慢性的な不調や痛みは、疲労の蓄積による回復力を失っている状態と考え、鍼灸治療だけでなく疲労を取り除くためのストレッチやエクササイズ、栄養の知識なども治療プログラムに組み込んで提供しています。 【認定、修了】 ・FMS/SFMA ・Reformer For Motor Learning ・臨床ドライヘッドスパ協会認定