腰痛の改善を期待して、運動を行う際に捻る動きは腰痛を悪化させてしまう可能性があります。動作によって腰椎(脊柱)に掛かる負担を理解して安全に運動を行いましょう。
筋力トレーニングの落とし穴
腰痛の改善の為に体幹トレーニングなど筋トレを始める方は多いのではないでしょうか。
トレーニング自体は、筋力を高め体の安定性を向上させるうえでと有効な手段です。しかし、その種類によっては体幹にかかる負担が強すぎてかえって痛めてしまう危険性もあります。
エクササイズ種目と椎体に掛かる負荷を調べた研究によると、体を前に曲げる「屈曲」という動作や、体を後ろに反らせる「伸展」という動作に比べて、体を左右に捻るような回旋動作は椎体(背骨)にかかる負担が大きいとのことです。
動作 | 圧迫ストレス(N) |
屈曲 | 1991 |
伸展 | 1340 |
側屈 | 2170 |
回旋 | 5400 |
N=ニュートン
このことから、腰痛の改善のために何か運動やトレーニングを始める際には極力、体を捻る動作を伴わないような運動から始めることが安全です。
腰痛の治療で必要なこと
腰痛に対しては、まず痛みを軽減することが重要です。痛みを軽減することで身体を動かすことへの恐怖や抵抗感を和らげていきます。
そこから、徐々に体を動かすようにしていくことが重要ですが、いきなり負担の強い筋トレをするのではなく、まずは呼吸やストレッチなで余分な緊張を取ったうえで、軽い負荷の運動から始めて無理のないように進めていくことが必要となってきます。
また、一人ひとり骨格や体の使い方の癖が違うため、腰痛を抱える患者さん全員が同じアプローチになるのではく、個々の体の特徴に合わせて内容を変えていくことも大切です。
当院での腰痛治療
腰痛に対しては、まず痛みの軽減のために鍼灸や手技で治療を行います。そこから余分な緊張を取り除くためのストレッチや呼吸エクササイズを行ったのち、個々体の状態に応じて適切なエクササイズをご提案させていただきます。
特に腰痛の患者様は、いわゆるインナーマッスルを使っての背骨を一つずつ分節的に動かしたり、体の各部位をゆっくり細かく動かすことが苦手となっていることがほとんどです。
当院では、ピラティスのエクササイズを用いて自身の体をしっかりコントロールできるように運動をすすめていきます。