ひどい肩こりや首こりを解消するには、凝り固まった筋肉を鍼(はり)や手技でほぐして血流を改善するだけでは根本的な解決とはなりません。
筋肉をほぐしたうえで、呼吸の仕方や体の使い方の癖を評価し、なぜ肩や首がこってしまうのか、その原因を突き止めて改善していくことが根本的な解決となってきます。
現代人の生活は、肩こりを引き起こしやすい環境にあります
あたなが肩こりを感じるときはいつでしょうか?
一日の終わりや、パソコン・スマホなどの長時間使用、あるいは職場での会議、緊張を強いられる場面の前後などで、疲労と共に肩こりを感じるのではないでしょうか?
頭は意外と重い
頭の重さは約6キロ、ボーリングの球くらいの重さがあり、頭が前に5㎝前に移動しただけで、首にかかる負担は2倍になるといわれています
スマホやパソコンなどをのぞき込むように頭が前に出た状態になりやすく、長時間続けると、首肩の筋肉は絶えず緊張を強いられ、硬くなり血流が悪くなることで「肩こり」を引き起こしてしまいます
また、ストレスや精神的に緊張する場面では、肩がすくみ首肩の筋肉が収縮し続けた結果、やはり血流が悪くなり肩こりとなります。
さらに、肩こりとなる生活習慣が長期化すると、「頭を前に出す」、「肩をすくめる」動作が癖となってしまい、マッサージなどで首肩の筋肉をほぐしてもその効果は一時的であり、またしばらくすると肩こりが戻ってきてしまいます
呼吸の乱れも肩こりになる
肩こりは呼吸の乱れによっても引き起こされます。
呼吸は意識的に調整することもできますが、基本的には「自律神経」によって無意識的に調整されており
緊張モードである交感神経優位の時は「浅く、速く」
リラックスモードである副交感神経優位の時は「深く、ゆったり」
した呼吸となります。
呼吸は安静時においてはリラックスモードの深くゆったりした呼吸となるはずですが、現代人の多くは運動不足、栄養の偏り、ストレス過多などの影響によって交感神経が優位となり、緊張モードの浅く速い呼吸となりがちです。
呼吸の主役「横隔膜」
呼吸では本来、肋骨の内側にある「横隔膜」と呼ばれる筋肉が主に働くことで、肋骨が上下左右に広がり適正な呼吸ができるようになっています。
ですが、緊張モードの浅く速い呼吸の時は、横隔膜よりも首や肩にある筋肉が過剰に働いてしまい、肋骨を引き上げて肩が上下に動くような呼吸、俗に言う「肩で息をする」状態となります。
その結果、首肩の筋肉に必要以上の負担をかけてしまい、肩がこってくるのです。
姿勢と横隔膜と呼吸
反り腰、猫背などの姿勢の悪さは、横隔膜にも影響してきます。
前述のように、横隔膜は肋骨の内側にある筋肉です。肋骨は胸椎と呼ばれる背骨についているため、背骨の配列が正常であれば肋骨も横隔膜も正常な位置にあります。
しかし、反り腰や猫背のように背骨が正常な位置からズレてしまうと肋骨の形が変わり、横隔膜の位置も変わってしまうため、正しく働くことが出来なくなってしまいます。
呼吸の主な働きをする横隔膜が正常に働けなくなると、その代わりに首肩の筋肉が頑張って肋骨を引き上げて呼吸をすることになり結果として、肩こりとなりやすい状態に陥ってしまいます。
肩こりの施術方針
肩こりに対する施術では、まず凝りかたまった筋肉への血流を改善することが必須ですが、それだけにとどまらず、呼吸を整えることで横隔膜をしっかり使える状態にし、そこからカラダの使い方の癖を修正することが根本的な解決方法となります
輔-task-鍼灸院では、施術の前にカラダの使い方や各関節の動きなどを確認し首肩の筋肉に過度な負担を強いている原因を見つけた上で施術に入ります
筋肉の緊張やこりがある部分には鍼灸治療を施すことで血流を改善し緩めていきます
その後、呼吸エクササイズを行ったのち、動きの悪い関節や働けていない筋肉などを働かせるエクササイズに取り組むことで肩こりとなる体の使い方の癖を修正します
また、施術に来られない日でも肩こりが極力戻ってこないように、セルフケアとしてご自宅でもできるエクササイズを紹介しサポートをさせていただきます。