日本人の3〜4人に一人は頭痛を感じていると言われていますが、頭痛は鍼灸治療によって改善が期待できます。
症状の特徴から頭痛の種類や鍼灸の適応かどうかを見極めたうえで治療を行うことが重要ですので、ご来院の際は詳しくお話をお聞かせください。
頭痛の種類
頭痛には大きく分けて、一次性の頭痛と二次性の頭痛とがあります
一次性頭痛
一次性の頭痛とは、頭痛自体が病気であり、いわゆる「頭痛持ちの頭痛」や「慢性頭痛」などと呼ばれるものです
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあり
二次性頭痛
二次性頭痛とは、他に原因となる病気がありその症状として起こる頭痛を総称したもので、症状としての頭痛です
クモ膜下出血による頭痛、髄膜炎による頭痛など、多くの疾患が頭痛を起こします
頭痛に対して施術するにあたって、まず危険な病気によっておこる二次性頭痛を見逃さないことが重要となります
片頭痛と緊張型頭痛の鑑別
片頭痛と緊張型頭痛の完全な鑑別は難しいところですが、以下の3つの質問のうち、2つがYesで93%、3つともYesで98%が片頭痛と言われています。
1.頭痛があるときに光が嫌に感じるか(光過敏)
2.頭痛により日常生活に支障をきたすか
3.頭痛があるときに悪心や腹部不快感があるか(吐き気)
危険な頭痛の見分け方
はじめての頭痛や、いつもとは違う頭痛の場合など普段と異なる症状が出ている場合は二次性頭痛の可能性があるため、すぐに医療機関で診てもらいましょう。
参考までに、「突然の発症だったか」、「増悪しているか」、「これまでで最悪か」これらが全てNoであれば危険な頭痛(脳血管障害、脳腫瘍、髄膜炎)はほぼ否定できると言われています。
逆に当てはまるようであれば治療院では対応できせんので、すぐに医療機関で診てもらいましょう。
鍼灸の適応となる頭痛
片頭痛や、緊張型頭痛など一次性の頭痛は鍼灸治療の適応となります。
頭痛の頻度や程度が減少すると、趣味に没頭できたり、仕事に集中できたりと作業効率も上がります。
片頭痛に関して
片頭痛患者において、鍼治療は偽の鍼治療や待機リストに割り当てられた患者と比較して、片頭痛の再発を長期的に減少させる可能性があるという研究もあります。(Ling Zhao,2017)
この研究によると、片頭痛が月に2~8回発生する18~65歳の患者さんに対して、鍼治療をすると、偽鍼治療および待機リスト群の患者と比較して片頭痛発作の頻度が優位に減ったとのことです。
同時に痛みの程度も優位に減っていたことから、片頭痛に対する鍼治療の有効性は期待できるものと考えております。
頭痛への施術方針
一次性頭痛のうち、緊張型頭痛は首肩のコリやストレスが、片頭痛は三叉神経神経と呼ばれる脳神経を取り巻く血管の拡張や炎症が原因と言われています。
ストレスや疲労がたまると、交感神経が優位となり血管は収縮し、血流は滞り、姿勢は猫背や反り腰で首は前に出ていたり、アゴが上がってきたりします。
その状態が続くことで、首肩の筋肉は凝り固まり、痛みや頭痛が誘発されます。そのため、まずは鍼灸などで首肩の筋肉の緊張を落とし血流の改善を図ります。
さらに、猫背や頭が前にでた姿勢で首肩に大きな負担をかけていることが原因の一つと考えると、首肩の筋肉をほぐしただけでは十分ではないため、鍼灸などの施術の後に、体全体の緊張を緩めるストレッチや不良姿勢に対するエクササイズなどにも取り組んでいただきます。
加えて、当院では施術後にエクササイズのやり方やポイントなどをまとめたプリントをお渡ししますので、施術に来られない日でも頭痛のセルフケアができるようにサポートさせていただきます。