人間の体は、使わない部位があるとその部位の使い方を次第に忘れていってしまいます。
当院に来られる患者様で、特に使い方を忘れてしまっている人が多い部位は「股関節」です。
股関節は人体で最大の関節にもかかわらず、多くの人はその使い方を忘れてしまっています。
その1つの理由として大きいのは、現代の生活環境と習慣です。
床からイスへ、和式トイレから洋式トイレへ
肉体労働から、知的労働へ
現代人の日常生活のパターンは、今の大人は幼少期に比べて、圧倒的に体を動かす機会が減っています。
深くしゃがみ込むことも減ってしまい、股関節を大きく動かすことをしなくなっているため、本来の動きを忘れてしまいやすくなっています
忘れてしまうだけならまだいいのですが、股関節ほど大きな関節を十分に動かせないとなると生活にも支障が出てきます。
そのため、動かなくなった股関節の代わりに他の関節が、股関節の動きをカバーしなければなりません。
そのカバーをしてくれる関節の代表は「背骨」です。
特に背骨の下の部分、「腰椎」と呼ばれる5つの骨からなる関節が股関節の動きをカバーしてくれているのです。
しかし、腰椎にも自分の役割があるので、その役割を果たしながら、股関節のカバーもしなければならないため、いつかは限界がきてしまいます。
その結果、「腰痛」となってしまうというパターンが往々にしてあることです。
そのことを考えると、「腰痛」の治療をする際に、いくら腰の痛い部位に施術をしたとしても解決にはならないため
股関節を使えているか?動き方を忘れてしまってないか?ということも評価をしておく必要があります。