疲労と不調

副腎疲労から回復する(栄養編①)

前回は副腎疲労の概要と当院でのアプローチをご紹介させて頂きました。

その中で、副腎疲労から回復するには「栄養」と「生活習慣」の改善が重要と書きましたので今回は副腎疲労から回復する為の栄養についてご紹介します。

副腎疲労と糖質

副腎疲労から回復するための栄養素としてまず取り上げたいのは「糖質」です。
ここでは、副腎に過剰な負担をかけないための糖質の摂り方が大切となってきます。

摂るべきは炭水化物

糖質として摂るべきは炭水化物です。
なかでも、「玄米」がビタミン・ミネラル、食物繊維を含むためベストです。

しかし、消化吸収の能力が低下してしまっている人はお腹を下しやすかったり、そもそも玄米は食べにくくて好きじゃないと言われたりする方もいらっしゃいますので、そういった方は5分づき米にするかそれでも難しい場合は白米にしましょう。

パンやパスタ、うどんなども炭水化物ですが、小麦粉に含まれるグルテンはリーキーガットシンドロームと呼ばれる腸の炎症を引き起こす可能性があるため、可能な限りお米や芋などのでんぷんが良いとされています。

避けるべきは「精製糖」

同じ糖質でも、避けるべきなのは「精製糖」です。

精製糖とは上白糖や白砂糖、グラニュー糖、三温糖など、原料となる糖から不純物を取り除いて文字通り精製された糖質のことを言います。

また、お菓子やジュースなどに含まれるブドウ糖果糖液糖や異性化糖、果糖ブドウ糖液糖などは精製糖と同様に避けたい糖質になります。

精製糖を避けたい理由としては

  • 機能性低血糖
  • ビタミン・ミネラルの浪費
  • 中性脂肪の肥大化による炎症誘発

があり、順に説明します。

機能性低血糖

通常、炭水化物は「多糖類」と呼ばれ糖の分子がたくさんくっついています。
その炭水化物を消化吸収をしようと思ったら、胃液や消化酵素の働きで吸収可能な単糖類の状態になるまで分解(消化)する必要があり、吸収までに少し時間がかかります。

しかし、精製糖の場合は最初から分子結合が少なく、速やかに消化吸収されやすい「単糖類」や「二糖類」の状態のため摂取後すぐに血糖値が急上昇を起こします。

血糖値スパイク

体には血糖値を一定の濃度で保とうとする働きがあり、血糖値が急上昇すると「インスリン」と呼ばれる血糖値を下げるホルモンを膵臓から分泌します。

するとインスリンの影響により、今度は血糖値が急激に下がるため、短い時間で血糖値の乱高下「血糖値スパイク」が起こることになります。

この血糖値が急激に下がったタイミングで、食後の強い眠気、体のダルさ、頭痛、集中力の低下、気分の落ち込みなどの症状が起こりやすく、その状態を「機能性低血糖」と呼びます。

副腎ホルモン「コルチゾール」の働き

血糖値スパイクによって機能性低血糖を起こすと、今度は逆に血糖値を正常に近づけるために副腎からコルチゾールと呼ばれる血糖値を上げるホルモンが分泌されます。

コルチゾールの働きは、血糖の上昇のほか、血圧上昇、炎症抑制、免疫抑制などがあり、ストレスがかかったときに対抗する為のホルモンであることから「抗ストレスホルモン」とも呼ばれます。

もし、普段から糖質のみの食事をしていたり、朝食を食べないあるいは菓子パンやジュース、お菓子類を毎朝食べたりしているなどで精製糖を過剰に摂取していると、血糖値スパイクから機能性低血糖を頻繁に起こしやすくなります。

副腎に過度な負担を強いる

精製糖の過剰摂取により、機能性低血糖を繰り返すことでその都度、副腎はコルチゾールを分泌して血糖値を保とうと頑張って働きます。
しかし、いづれは副腎にも限界がきて徐々に血糖値を維持できなくなってしまいます。

結果として、体は持続的な低血糖状態となり、副腎疲労に特徴的な朝起きれないなどの疲労感や、体のだるさ、集中力の低下、うつ様症状などが現れてきます。

ビタミンとミネラルの浪費

摂取した糖質は消化器によって代謝され体を動かすためのエネルギーとなりますが、糖質の代謝にはビタミンB1やマグネシウムが必須です。

精製糖を過剰摂取するとその分だけ糖を代謝しなければならず、ビタミンB1やマグネシウムを大量に浪費してしまいます。

そのため、日常的に精製された糖質(白米含む)中心の食生活をしていては、食事によってビタミン・ミネラルが補えないため浪費するばかりです。次第に糖を代謝する為のビタミン・ミネラルも不足してしまい、エネルギーに変換することもできなくなるため疲労感をさらに強めてしまいます。

さらに、副腎疲労から回復する為の栄養素としてもビタミン・ミネラルは欠かせません。

副腎の中にもビタミンB群、ビタミンC、マグネシウムなどが大量に含まれており、コルチゾールなど副腎ホルモンを過剰に分泌して副腎疲労状態にある副腎を助けるためには、これらの栄養素を高用量で補ってあげなければならないので、ビタミン・ミネラルの浪費は避けなければなりません。

食生活を見直す

精製糖の過剰摂取や糖質中心の食生活による、機能性低血糖とビタミン・ミネラルの浪費を防ぐには

  • 糖質は炭水化物(でんぷん)から摂る
  • 毎日3食きちんと欠食せずに食べる(とくに朝)
  • 精製糖の摂取を減らす

などをおこない

さらに、食事の基本的な内容も

「主食(炭水化物)、主菜(たんぱく質、脂質)、副菜(ビタミン・ミネラル)」を用意してバランスよく食べれると副腎の負担を軽くすることが出来ます。

副腎疲労には特にマグネシウム

ミネラルの中でも、マグネシウムは副腎疲労の特効薬と例えられており、意識して摂れば比較的早期から疲労感の改善に繋がるとされています。

しかし、現代人においては今回説明したように、精製糖や糖質中心の食生活などの理由によってマグネシウムが無駄使いされており、一日あたり100㎎ほど不足していると言われています。

マグネシウムを豊富に含む食材は玄米など未精製の穀物はもちろん、海藻や豆類、キノコ類なので、それらを意識的に食べるほか

  • ゴマをご飯の上にふりかける
  • にがりを味噌汁やスープに数滴たらす
  • 食塩ではなく、自然塩(天然塩)に変える

などのちょっとした工夫をして補うようにしましょう。

ちなみに、納豆は1パックで70㎎のマグネシウムが摂れるので嫌いでなければオススメします。

精製糖を避けたい理由の3つ目「中性脂肪の肥大化による炎症誘発」は栄養編②で併せて解説します。

ABOUT ME
恩田陽輔
鍼灸師。 慢性的な不調や痛みは、疲労の蓄積による回復力を失っている状態と考え、鍼灸治療だけでなく疲労を取り除くためのストレッチやエクササイズ、栄養の知識なども治療プログラムに組み込んで提供しています。 【認定、修了】 ・FMS/SFMA ・Reformer For Motor Learning ・臨床ドライヘッドスパ協会認定